マイルの神様

陸上競技を通じて人として成長して行った少年のストーリーです。

ストーカーの始まり

通信陸上競技大会

朝から騒がしい妻がいた。

息子が、走る大会を見に行くそうだ。私に車を出せと言っている。

土曜日だからゆっくりしたいのだが、どうやら許して頂けない状況になってしまっている。

競技が、始まると急かす妻。

重い尻を持ち上げキーを手に握りしめた私。

 競技場に到着したが、既に駐車場は満杯。

妻を先に降ろし、私は他の駐車場へと車を走らせた。少し先に市の施設が有り幸いにも一台分のスペースを発見し車を停める事が、出来た。

歩いて競技場のスタンドを目指した。

携帯電話でやり取りをして妻が、待つ席を見つけて隣に腰を下ろした。場所は、コースのゴールラインの真ん前で多くの親御さん達が集っていた。

 

暫くして息子が、出場する100m走のスタートになった。すると妻は、ビデオカメラを手に持ちグランドの方へ向かって行った。

おいおいビデオを撮るんかい?随分と気合いが入っているなと思う私であった。

 

この瞬間から大会の度に息子の姿を求めるストーカーが、始まった。