マイルの神様

陸上競技を通じて人として成長して行った少年のストーリーです。

100メートル走

陸上競技者としてのスタート

スタートラインに続々と選手が集い始めた。

えぇ?!こんなにも大勢で走るのか?妻から預かったプログラムを手に取り確認すると男女それぞれ20数組に及んでいた。

政令都市となり学校数も多くなっているので当然の如く参加も増える分けだ。

私は、息子のいる組を確認する為にプログラムに目を向けた。

見つけた名前は、14組目だった。ここから競技者としてスタートするのかと思うと考え深いものを感じた。

数十分後、14組目の選手がスタートラインに列んだ。第8コースに彼の姿を見つけた。遠くからでも緊張している様子が伺われた。

んっ!いやいや、それよりも緊張している者がいたビデオカメラを手にした妻である。

いよいよスタートラインに手を置いた。

瞬く間にスターターの発砲と共に一斉に走り始める。

 

スタートダッシュは、やや遅れ気味(私と同じだぁ ^^;)中盤に盛り返して4着でゴールイン。走る姿は、まだぎこちなかったけれど無事に完走しただけで良いと思った私。

 

しかし手厳しい評論家が、戻って来た!ビデオ再生しながら「スタートが、ダメね。もっと早くしないと・・・・」云々

はぁ?自分が走るわけでも無いのに良く言えるなと思った私です。

「さぁ〜、車取りに行こう。」と評論家から離れ駐車場に向かった。

何着であろうと陸上競技者としてスタートを切った日であった。

自分と同じ陸上競技を選んでくれ何故か?スッキップを踏む感じで歩む自分を感じた。