マイルの神様

陸上競技を通じて人として成長して行った少年のストーリーです。

高校へ行きたくない

中学校入学前だった

彼から話しをしてきた。

中学校を卒業したら働きたいと言う。

理由は、勉強が嫌いだとの事だった。

別に成績が、悪いわけでは無い。

通知表を見ても「中の上」ぐらいの筈である。

 

 私は『先ずは、3年も先の事を今すぐ決める必要は無いと思うよ。高校を卒業しておく事は、自分の生きて行く選択肢を広げる事が有っても狭める事はない、とお父さんは考えるよ。』と言った。

 

 高校を卒業するメリットやデメリットを話すより自分で考えることを優先させた。子どもだから言ってもわからないだろうとは、一切思わなかった。

 

私の顔を直視して話しを聞いている彼。

 

 『高校受験まで自分で良く考えてみなさい。その時も今と同じ考えでいたらお父さんは、反対し無いよ。』

 『後になってから後悔しない、と言う事を忘れずに考えるんだよ。』

 

彼は、提案を受け容れた。

 

 『ところで、中学からクラブ活動が有るけれど?何処に入るか決めているのか?』

 

まだ決まっていないとの事だった。

私は、この時点では文化系クラブに入ること予想していた。

 

『じゃぁ、高校と一緒だ。良く考えて決めなさいね。』

 

目の前には、右手で「いいね」を作った彼がいた。